リピンスキーの Rule of 5 は今どき薬学部なら学生でもご存知かと思いますが、Rule of 4 や Rule of 3 も考案されています。5, 4, 3 と揃えると見栄えがするかなと思って並べてみました。こういったルールは、完全に無視することも、完璧に厳守することも危険だと思います。ルールに支配されることなくルールをうまく利用して効率的な創薬につなげていきたいですね。
◆ Rule of 5
経口吸収性の高い構造特性
・ MW ≦ 500
・ H bond donor ≦ 5
・ H bond acceptor ≦ 10
・ cLogP ≦ 5
[論文] "Experimental and computational approaches to estimate solubility and permeability in drug discovery and development settings" Adv. Drug Del. Rev. 1997, 23, 3.
◆ Rule of 3
リード化合物 (フラグメント化合物) として相応しい構造特性
・ MW ≦ 300
・ H bond donor ≦ 3
・ H bond acceptor ≦ 3
・ cLogP ≦ 3
・ (Rotatabole bond ≦ 3)
・ (PSA ≦ 60)
[論文] "A ‘Rule of Three’ for fragment-based lead discovery?" Drug Discov. Today, 2003, 8, 876.
◆ Rule of 4
P-gp の基質になりやすい構造特性
・ (N+O) ≧ 8
・ MW > 400
・ acid pKa > 4
P-gp の基質になりにくい構造特性
・ (N+O) ≦ 4
・ MW < 400
・ base pKa < 8
[論文] "Classification Analysis of P-Glycoprotein Substrate Specificity" J. Drug Target., 2003, 11, 391.
Rule of 5, 4, and 3
気ままに創薬化学 2010年11月22日
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2010年10月発刊の創薬関連書籍
・ 化学構造と薬理作用―医薬品を化学的に読む
・ 医薬品メーカー 勝ち残りの競争戦略
・ 生命現象を理解する分子ツール―イメージングから生体機能解析まで
・ Handbook of Heterocyclic Chemistry, Third Edition
・ The Art of Process Chemistry
・ Pharmaceutical Process Chemistry
・ Chemical Library Design
・ Nanoparticles: From Theory to Application
・ Aspartic Acid Proteases as Therapeutic Targets
・ Oral Controlled Release Formulation Design and Drug Delivery: Theory to Practice
気ままに創薬化学 2010年11月17日
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| 月別創薬関連書籍
「気ままに有機化学」 より、創薬化学者にも役立つ記事一覧
私のもうひとつのブログ 「気ままに有機化学」 より、創薬化学者にも有用な記事を一覧にしてみました。独断と偏見でピックアップしましたので、役に立たないものも含まれるかもしれませんし、逆に役に立つ記事でも拾い損ねているものがあるかもしれませんが、ご容赦ください。今後は創薬化学者にも有用な記事はこのブログ 「気ままに創薬化学」 にも同時投稿する予定にしています。
◆ 有機化学実験のノウハウ
・ 有機合成実験の後処理に関する Tips まとめ
・ スズ化合物除去の 『マイ』 スタンダード : アミノシリカ
・ NMR で水のピークを消す方法
・ 結合切断のハサミを綺麗に描く方法
◆ 有機化学実験の盲点
・ NMR クイズ
・ NMR クイズ 2
・ 実験の失敗クイズ
◆ 英語・用語
・ 『インタラクティブ有機化学英語』 が無料化!
・ 有機化学論文のラテン語
・ 通じない化学用語
・ 有機化学者が漢字変換登録すべき用語たち [増補版]
◆ データ・ツール
・ 有機化学データ集 Organic Chemistry Info
・ TCI の便利ツール
・ 各種溶媒の各種重溶媒中の NMR データ
・ 残留溶媒・試薬の NMR データ
◆ 勉強
・ 有機化学研究室のホームページの資料
・ SlideShare で学ぶ、立体選択的な反応と合成
・ 世界の講義資料で学ぶ有機化学
◆ その他
・ マイクロウェーブの非熱的効果は本当にあるのか?
・ ボロン酸をタグにした多段階 Phase-Switch 合成
・ 歴史の中のフェノール誘導体
最後に余談ですが、このブログ 「気ままに創薬化学」 はこの 11 月で一周年を迎えました。ブログを継続できたのは今この文章を読んでくださっているあなたのような読者様がいたからに他なりません。これからもどうぞよろしくお願いいたします。(匿名やハンドルネームで構いませんので、お気軽にコメントや情報提供もお願いいたします。管理人に匿名で直接メールできる メールフォーム もあります)
気ままに創薬化学 2010年11月14日
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フッ素化合物の NMR のカップリング定数
今回は自分用のメモです。医薬分子の部分構造に出てきそうなフッ素化合物の NMR のカップリング定数 (結合定数、J 値) をまとめてみました。出典は Structure Determination of Organic Compounds: Tables of Spectral Data で、日本語翻訳版 有機化合物の構造決定―スペクトルデータ集 もあります。
[関連1] 芳香族フルオロ/トリフルオロメチル化反応 (気ままに創薬化学)
[関連2] フッ素を入れて脂溶性を下げる (気ままに創薬化学)
[関連3] フッ素を入れてアミドの向きを制御する (気ままに創薬化学)
[関連1] 芳香族フルオロ/トリフルオロメチル化反応 (気ままに創薬化学)
[関連2] フッ素を入れて脂溶性を下げる (気ままに創薬化学)
[関連3] フッ素を入れてアミドの向きを制御する (気ままに創薬化学)
気ままに創薬化学 2010年11月10日
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