2011 年、Novartis からのレビュー [論文]。タイトルは "Strategies and Chemical Design Approaches to Reduce the Potential for Formation of Reactive Metabolic Species" で、反応性代謝物に関していろいろと書いてあるのですが、個人的に特に使えそうだなと思ったのは 「反応性代謝物のアラート構造」 と 「回避へ向けた構造変換の実例」。
「反応性代謝物のアラート構造」 では反応性代謝物を生成しやすい部分構造が豊富に掲載されています。一部に関しては反応性代謝物生成のメカニズムも書かれています。もちろんアラート構造は絶対に入れてはいけない構造ではないと思いますが、入れた場合には早期に反応性代謝物のリスクを見極める必要があります。また、反応性代謝物が出たときに原因部位の推定にも役立つのではないでしょうか。
「回避へ向けた構造変換の実例」 では、数多くの文献情報から、どんな化合物で反応性代謝物が問題となって、どこが推定原因部位で、どんな構造変換をして回避したのか、が一覧表になってまとまっています。その数 30 以上。また一部のアラート構造に対しては、反応性代謝物を回避する可能性のある生物学的等価体構造もコンパクトにまとめられています。
きっといくつかは知らなかった 「反応性代謝物のアラート構造」 や 「回避へ向けた構造変換の実例」 があるかと思います。量が多いので具体的にはここでは紹介しませんので、ご興味ある方は論文をご参照ください。
[論文] "Strategies and Chemical Design Approaches to Reduce the Potential for Formation of Reactive Metabolic Species" Curr. Top. Med. Chem. 2011, 11, 419.
[関連] 芳香族クロリドをニトリルへ、反応性代謝物の低減 (気ままに創薬化学)
反応性代謝物のアラート構造、回避へ向けた構造変換
気ままに創薬化学 2011年06月20日
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気ままに創薬化学 2011年06月11日
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