ペンシルバニア大学、Amos B. Smith, III と Carlo Ballatore らの報告 [論文]。
シクロペンタン-1,3-ジオンがカルボン酸と同程度の pKa をもつことは古くから知られていますが、それを創薬化学でカルボン酸等価体として使われることはこれまでなかったとのこと。下図に示すように実際に pKa や logP はかなり似通っています。まぁ、よく見るとカルボン酸のビニローグですよね。
論文では、thromboxane A2 prostanoid (TP) receptor antagonist のカルボン酸部分をシクロペンタン-1,3-ジオンに変換したものや、シクロペンタン環上にさらに置換基を導入したものなどを合成して活性を評価しています。抱合を含めた代謝など ADMET に関する記述が見当たらなかったのが少し残念ですが、カルボン酸の生物学的等価体として試してみてもいいかもしれません。
[論文] "Cyclopentane-1,3-dione: A Novel Isostere for the Carboxylic Acid Functional Group. Application to the Design of Potent Thromboxane (A2) Receptor Antagonists" J. Med. Chem., 2011, 54, 6969
シクロペンタン-1,3-ジオンをカルボン酸の等価体に
気ままに創薬化学 2011年11月25日
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気ままに創薬化学 2011年11月21日
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医学英語の接頭辞・接尾辞
創薬化学の論文を読んでいてわからない単語が出てきた場合、それが医学英語であることも多いのではないでしょうか?例えば arteriosclerosis の意味は?「見たことあるけど長くて覚えていない」 という方も多いのではないでしょうか。
そんなとき、単語を分解して覚えると記憶に残りやすいですし、他の単語にも応用できます。上の例では arterio は動脈、sclerosis は硬化症なので、arteriosclerosis は動脈硬化症ですね。他に関連する医学用語としては、multiple sclerosis=多発性硬化症、cerebrosclerosis=脳硬化症、nephrosclerosis=腎硬化症、scleroderma=強皮症などがあります。辞書で 「scleroderma=強皮症」 と読んでもどんな病気かわからないかもしれませんが、sclero=硬い、derma=皮膚を知っていれば、どんな症状の病気か想像がつくのではないでしょうか。
さて、先日少しだけ医学英語の接頭辞と接尾辞をまとめる機会がありましたので、このブログでも紹介しておきたいと思います。(残念ながら創薬化学の論文に出てくる頻度が高いものというわけではありません)
参考にしたのは今年 4 月に刊行された 語源で学ぶメディカル・イングリッシュ550 です。気ままに有機化学 で紹介した 「燐と金星」 の化学トリビアなど語源に関する逸話なんかも紹介されています。ご興味ある方は Amazon の 「なか見!検索」 や大型書店で立ち読みしてみてください。
そんなとき、単語を分解して覚えると記憶に残りやすいですし、他の単語にも応用できます。上の例では arterio は動脈、sclerosis は硬化症なので、arteriosclerosis は動脈硬化症ですね。他に関連する医学用語としては、multiple sclerosis=多発性硬化症、cerebrosclerosis=脳硬化症、nephrosclerosis=腎硬化症、scleroderma=強皮症などがあります。辞書で 「scleroderma=強皮症」 と読んでもどんな病気かわからないかもしれませんが、sclero=硬い、derma=皮膚を知っていれば、どんな症状の病気か想像がつくのではないでしょうか。
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気ままに創薬化学 2011年11月15日
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