ブレット則でイミニウム生成を回避する

2013 年、Genentech の mTOR 阻害剤の報告 [論文]。下図左の化合物の CYP3A4 time-dependent inhibition (TDI) を軽減するために、ピペリジン窒素の両隣の炭素をエチレン架橋したビシクロ化合物をデザイン。ブレット則 (Bredt's rule) でイミニウム生成を回避するという狙いだそうです。結果として CYP3A4 TDI は減弱し、さらに溶解性も改善 (平面性が弱まったため)。


CYP3A4 TDI の原因がイミニウムなのか等の検証はなされていないようですが、ブレット則でイミニウム生成を回避するというアイデアはおもしろいですね。

[論文] "Pyrimidoaminotropanes as Potent, Selective, and Efficacious Small Molecule Kinase Inhibitors of the Mammalian Target of Rapamycin (mTOR)" J. Med. Chem. 2013, 56, 3090.

気ままに創薬化学 2013年06月03日 | Comment(1) | ADMET・物性・特許