2014年3月の創薬関連書籍
◆ 和書
・ プロセス化学 第2版: 医薬品合成から製造まで
・ メディシナルケミストリー用語解説310
・ 薬づくりの未来 危機を打破するR&Dモデル
・ JAPIC医療用医薬品集 普及新版〈2014〉
・ よくわかるQ&A改正薬事法のポイント~薬事法から医薬品医療機器法へ~
◆ 洋書
・ Progress in Medicinal Chemistry, Volume 53
・ Computational Medicinal Chemistry Set
・ Structural Genomics and Drug Discovery: Methods and Protocols
・ MicroRNAs: Key Regulators of Oncogenesis
・ Stem Cells and Cancer Stem Cells, Volume 12: Therapeutic Applications in Disease and Injury
気ままに創薬化学 2014年04月25日
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ベンゼン環の等価体にシクロブタン環
シクロブチル環をオレフィンやベンゼン環の代わりに では、分子中央のベンゼン環の等価体としてシクロブタン環を利用した例を紹介しました。先週報告された Amgen の PDE10A (Phosphodiesterase 10A) 阻害剤 [論文] でも同様の展開がなされていました。
上図のようにベンゼン環をシス型あるいはトランス型のシクロブタン環に置き換えたところ、同等以上の活性の化合物が得られました。面白いことに、酵素と化合物のX線共結晶構造解析によると、シス型もトランス型もほとんど同じ結合様式なのです (シス型とトランス型で両端のヘテロ芳香環がほとんど重なる)。一見シス型とトランス型で立体的な形が大きく違いそうなものですが、ほとんど重なることもあるようです (阻害活性の差は約 4 倍)。
また、シクロブタン環の代わりにシクロヘキサン環 (相対配置の記述なし) にした場合には IC50 は 271 nM で大幅に活性低下、「ベンゼン環 → シクロヘキサン環」よりも「ベンゼン環 → シクロブタン環」の方が活性保持になっているのも興味深い知見です。論文によると、シクロヘキサン環は嵩高すぎて酵素の狭い空間にフィットしないから活性が大幅に低下したと推測されています。平面的なベンゼン環により近いのは、シクロヘキサン環よりもシクロブタン環ということでしょうか。
[論文] "Discovery of Novel Imidazo[4,5-b]pyridines as Potent and Selective Inhibitors of Phosphodiesterase 10A (PDE10A)" DOI: 10.1021/ml5000993
上図のようにベンゼン環をシス型あるいはトランス型のシクロブタン環に置き換えたところ、同等以上の活性の化合物が得られました。面白いことに、酵素と化合物のX線共結晶構造解析によると、シス型もトランス型もほとんど同じ結合様式なのです (シス型とトランス型で両端のヘテロ芳香環がほとんど重なる)。一見シス型とトランス型で立体的な形が大きく違いそうなものですが、ほとんど重なることもあるようです (阻害活性の差は約 4 倍)。
また、シクロブタン環の代わりにシクロヘキサン環 (相対配置の記述なし) にした場合には IC50 は 271 nM で大幅に活性低下、「ベンゼン環 → シクロヘキサン環」よりも「ベンゼン環 → シクロブタン環」の方が活性保持になっているのも興味深い知見です。論文によると、シクロヘキサン環は嵩高すぎて酵素の狭い空間にフィットしないから活性が大幅に低下したと推測されています。平面的なベンゼン環により近いのは、シクロヘキサン環よりもシクロブタン環ということでしょうか。
[論文] "Discovery of Novel Imidazo[4,5-b]pyridines as Potent and Selective Inhibitors of Phosphodiesterase 10A (PDE10A)" DOI: 10.1021/ml5000993
気ままに創薬化学 2014年04月03日
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