言葉で表すとわかりにくいですが、下図を見れば一目瞭然ですね。窒素数が 1 つ増えると pKa は約 4 ずつ下がり、窒素の位置は NH の pKa にはあまり影響しないようです (イミダゾールとピラゾールはほぼ同じ、トリアゾールの異性体もほぼ同じ)。テトラゾールがカルボン酸の生物学的等価体としても使われることから、窒素数を増やせば酸性度が増すことは感覚的にわかってましたが、こんなに綺麗な相関になるとは・・・。
また、ベンゾアゾール系化合物でも同様の相関があります。
ちなみに、ベンゾアゾール系化合物でベンゼン環の炭素を窒素に置換しても pKa は下がりますが、その効果はピロール環の置換に比べて小さいようです (例えば、ベンズイミダゾールの pKa=13.2 に対して、プリンの pKa=8.9)。
私はこのアゾール系 NH の pKa と窒素数の比例関係についてはこの本を読むまで知りませんでした。もし他に興味深い相関関係をご存知でしたらコメント欄でお知らせいただけると幸いです。
[関連] アゾール系 NH の pKa は窒素数と比例関係 [補足] (気ままに創薬化学)
仰るとおり、イミダゾールは弱塩基性ですよ。