最近の生物学的等価体についてまとめたもので、大見出しだけ抜粋すると以下の 15 項目になります。重水素、フッ素、ケイ素、硫黄、シクロプロピル基、各官能基の水素結合能や pKa などなど、創薬化学の話題が盛りだくさんです。内容もただ 「こういう置換をしました、活性はこうなりました」 というだけでなく、立体配座・物性・ADMET などに与える効果やその置換の狙いについても創薬化学の視点からうまくまとめてあります。
・ Isosteres of Hydrogen
・ Isosteres of Carbon and Alkyl Moieties
・ N Substitution for CH in Benzene Rings
・ Biphenyl and Phenyl Mimetics
・ Phenol, Alcohol, and Thiol Isosteres
・ Hydroxamic Acid Isosteres
・ Carboxylic Acid Isosteres
・ Isosteres of Heterocycles
・ Isosteres of the Nitro Group
・ Isosteres of Carbonyl Moieties
・ Ether/sulfone and glyoxamide/sulfone isosterism
・ Urea isosteres
・ Guanidine and Amidine Isosteres
・ Phosphate and Pyrophosphate Isosteres
・ Isosteres of Ligand-Water Complexes
この文献の著者の方が私よりもはるかに造詣が深いと思いますが、少し興味の範囲が重なっているようで、このブログで取り上げた以下の 5 つの記事の内容もこの論文でも紹介されています。これらの記事に興味をもった方には特に上の文献をオススメします。
・ シクロプロピル基の 3 つの効果
・ ヘテロ芳香族エーテルのコンホメーション
・ フッ素を入れて脂溶性を下げる
・ フッ素を入れてアミドの向きを制御する
・ オキセタンの創薬化学
[論文] "Synopsis of Some Recent Tactical Application of Bioisosteres in Drug Design" J. Med. Chem. Article ASAP
当方、一応プリントアウトはしましたが、
あまりの分量の多さに当惑気味です。(笑)
読むべき論文であることは、間違いないのですけどね。
リファレンス等はまだ読んでませんが本文は一通り読みました。
やはりいくつも知らないことがあったので読んでよかったと思っています。
読む時間がなければスキームだけ見て興味あるところの本文を読むという形でも。
しかし著者のものすごい文献チェック能力に感服するばかりです。
海外の研究者はみんなあんなに勉強しているのでしょうか。