芳香族クロリドをニトリルへ、創薬化学と合成化学

2010 年、Pfizer の芳香族クロリドからニトリルへの変換のレビュー [論文1]。ざっくりと内容をまとめると以下の 5 点のような感じでしょうか。

1) 芳香族クロリドをニトリルに変換しても同程度の活性を示すことが多い (経験的に)。
2) クロロベンゼンの LogP は 2.84、ベンゾニトリルは 1.56 であり、脂溶性を大きく下げる。
3) 上記の結果、LipE が上がり、代謝安定性が上がることが多い。 (溶解性や毒性なども)
4) 市販薬の中には元々芳香族クロリドだった部分をニトリルに変換したものもいくつもある。
5) 芳香族クロリド → ニトリルの反応研究が進み、立体的・電子的に反応しにくいものも変換可能に。


Pfizer の NNRTI (Non-Nucleoside Reverse Transcriptase Inhibitors)

合成展開している化合物が芳香族クロリドを含む場合には、一度ニトリルにしてみる価値はあるかもしれませんね。なお、同 2010 年にニトリルの創薬化学のレビュー [論文2] も出ていますので、興味ある方はあわせてどうぞ。

[論文1] "Aromatic chloride to nitrile transformation: medicinal and synthetic chemistry" Med. Chem. Commun., 2010, 1, 309.
[論文2] "Nitrile-Containing Pharmaceuticals: Efficacious Roles of the Nitrile Pharmacophore" J. Med. Chem., 2010, 53, 7902.

気ままに創薬化学 2011年04月13日 | Comment(1) | ADMET・物性・特許
この記事へのコメント
管理人さん初めまして

化合物の脂溶性に関して質問があり、もしよろしければお答えいただきたいです。

一般的にハロゲンを導入すると脂溶性が上がると聞くことがあるのですが、それはなぜでしょうか?

大学での研究で構造活性相関研究を少しやっており、天然の構造にBrを導入したモノで活性が上がったことがあり、その要因を考えています。(F、CF3では天然物と同等)
Posted by たなか at 2016年05月30日 15:03
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