シクロペンタン-1,3-ジオンがカルボン酸と同程度の pKa をもつことは古くから知られていますが、それを創薬化学でカルボン酸等価体として使われることはこれまでなかったとのこと。下図に示すように実際に pKa や logP はかなり似通っています。まぁ、よく見るとカルボン酸のビニローグですよね。

論文では、thromboxane A2 prostanoid (TP) receptor antagonist のカルボン酸部分をシクロペンタン-1,3-ジオンに変換したものや、シクロペンタン環上にさらに置換基を導入したものなどを合成して活性を評価しています。抱合を含めた代謝など ADMET に関する記述が見当たらなかったのが少し残念ですが、カルボン酸の生物学的等価体として試してみてもいいかもしれません。
[論文] "Cyclopentane-1,3-dione: A Novel Isostere for the Carboxylic Acid Functional Group. Application to the Design of Potent Thromboxane (A2) Receptor Antagonists" J. Med. Chem., 2011, 54, 6969