アミド、イソキサゾール、イソキサゾリン (2)

Merck の Nav1.7 blocker での配座制御の事例です [論文]。N-ベンジルアミドの比較的安定な配座として、下図の "extended" と "bent" があります。"extended" ではフェニル基がアミド平面と同一方向に伸びていて、オキサゾール環やイソキサゾール環によってミミックされます。一方、"bent" はフェニル基がアミド平面から外れた方向に伸びていて、オキサゾリン環やイソキサゾリン環によってミミックされます。論文ではモデリングを用いてそれぞれの配座のアミドとそれぞれのヘテロ環がよく重なることが示されています。


実際に、下図上段のアミドをオキサゾールやイソキサゾールの "extended" 配座等価体で置き換えると活性は減弱し、オキサゾリンやイソキサゾリンやイソキサゾリンの "bent" 配座等価体で置き換えると同等以上の活性の化合物が得られました。ここで、オキサゾリンは酸性溶液で加水分解されたため、イソキサゾリンに絞って更なる検討を行ったそうです。


「アミド→イソキサゾール」で "extended" 型アミドの配座を、「アミド→イソキサゾリン」で "bent" 型アミドの配座をミミックしうる、という事例の紹介でした。

[論文] "Discovery of a novel class of isoxazoline voltage gated sodium channel blockers" DOI: 10.1016/j.bmcl.2009.07.125
[関連] アミド、イソキサゾール、イソキサゾリン (1) (気ままに創薬化学)

気ままに創薬化学 2014年07月28日 | Comment(2) | 相互作用・配座・等価体
この記事へのコメント
いつも勉強させていただいております。
イソキサゾリンって安定性はどうなんでしょうか?具体的には、@空気酸化されて芳香化してしまうのではないか、Aイミデートなので酸や塩基で加水分解されやすいのではないか、B酸化代謝されやすいのではないか、ということが気になりました。
Posted by chemko at 2014年08月06日 00:23
> chemko さん
Aに関しては、オキサゾリンはイミデートなので酸性溶液で加水分解されるようですが(本文中にも記載)、イソキサゾリンは比較的安定なようです。
@Bに関しては、可能性はあると思います。「アミド、イソキサゾール、イソキサゾリン (1)」で「イソキサゾリン環上のメチル基は、ベンジルオキシムエーテルの潜在的な酸化的代謝を防ぎ」と紹介しましたが、本記事の化合物でもベンジル位にメチル基を導入した化合物(一番右下の化合物)系でその後の最適化を進めています。この論文では理由は書かれていなかったと思いますが、やはり潜在的な酸化を防ぐためではないかと思います。
Posted by 気ままに創薬化学 at 2014年08月08日 00:45
コメントを書く
お名前 (ハンドルネーム可):

メールアドレス (任意):

ホームページアドレス (任意):

コメント: