有機化学関連の商品の中には高価なものもあります。特に ChemDraw などの専門ソフトウェア、分子模型、専門書などは高額ですので、できるだけ安く買いたいものです。今回、私の大学院時代の先輩に教えてもらった安く買う方法を紹介しましょう。それは、
ドルやユーロで買う というものです。
例えば、ChemDraw Ultra 12.0 の価格を
SciStore.com で比較すると下図のようになります。(価格は通常料金。アカデミックプライスはそれぞれ約 2/5 の価格設定です)
円に換算すると、2,330 ドル =191,060 円 (現在 1 ドル約 82 円)、1,650 ユーロ = 198,000 円 (現在 1 ユーロ約 120 円)。ドルやユーロで買えば日本円の 2/3 の価格で購入することができます。なお、発売当時 (2009 年 9 月) の為替相場でもドルやユーロで買う方が安いので、元々円の価格設定が高めのように感じます (さらに円高の影響でドルやユーロで買うと安くなっています。ちなみに同じ価格になる為替は 130 円/ドル、184 円/ユーロ)。他にも、例えば
The Merck Index 14th Edition Std も米ドルで買えば 490 ドル (約 40,200 円)、日本円で買うと 63,900 円。ずいぶん安くなりますね。
さて、これまで海外の製品をドルやユーロで買うと安くなるという話を紹介してきましたが、日本製品ではどうでしょうか?例えば、日ノ本合成樹脂製作所が製作、丸善が販売している
HGS 分子模型 (pdf) は大型講義用が 70,000 円、有機化学基本セットが 23,000 円です。一方、同じ丸善の海外向け直販サイトでは
大型講義用 が 500 ドル (約 41,000 円)、
基本セット が 187 ドル (約 15,300 円) で購入できます。(日本向けと海外向けで商品の名前は変わっていますが、写真・内容は同じものです)
今回の情報を提供してくださった先輩は、実際に海外向け直販サイトから注文してみたそうです。商品は
大型講義用 500 ドル × 1 と
学生用 C セット 25 ドル × 2。送料は別で 7.43 ドルで合計 557.43 ドル。ちなみに、大型講義用は日本では上で述べた 70,000 円、学生用 C セットは
日本 では通常 4,000 円、大学生協でも 3,900 円だったとのこと。全部で 3 万円以上も節約できたそうです。
学生用 C セットは大学の実習や授業で使うようなものですので、もし私が大学の教員だったら 25 ドル (約 2,050 円) で大量購入して 3,900 円で学生に販売してひと儲け・・・なんてことをすると手が後ろに回っちゃいますかね、笑。・・・というのは冗談ですが、ひと儲けできそうなくらい価格差が付いてしまっている、というのが実情ではないでしょうか。
以上、ドル・ユーロで買うことで実質 1/2〜2/3 の価格で買えることもあるよという話でした。今後、有機化学の高額商品を購入する際には、ドル・ユーロで買うことも検討してみてはいかがでしょうか?ただし、送料・説明書・サポート等には違いがあるかもしれませんので、注意してくださいね。
[余談] 私の先輩が分子模型を注文したとき、英語の直販サイトで英語で日本の住所を打ち込んで注文したら、数日のうちに日本語の住所・カタカナの名前で送られてきてビックリしたそうです。段ボールも送り先票も日本語。説明書だけは英語。発送元は日ノ本合成樹脂製作所、なので英語の説明書を付けて日本から発送しているようです。