応募締切まで残り24時間!


先週から受付はじめた Wiley の最新書籍を無料でもらってレビューを書こう! の応募締切がいよいよ残り 24 時間になりました。3 名の当選に対してこれまでに 16 名の方がご応募くださっています、ありがとうございます。

もしも 「応募し忘れていた!」「思ったより当選確率高いから応募しよ!」「勉強も実験も応募もギリギリにやるタイプなんです!」 という方がいらっしゃいましたら、締切の 7/12 (火) 24 時までにご応募ください。

「自分は応募しないよ」 という方も、まわりに興味をもちそうな方がいらっしゃたら是非お声がけください。また、管理人は twitter はやっていませんので、化学系クラスタでアカウントをお持ちの方、もしよければつぶやいていただけると幸いです。


気ままに創薬化学 2011年07月12日 | Comment(0) | コーヒーブレイク

Wiley の最新書籍を無料でもらってレビューを書こう!


最近、自分のブログで書籍を紹介することを条件に本を無料でもらえるサービスが増えてきています。(例えば レビュープラス本が好き!AMNブッククラブ など)。しかし、「自分はブログをやっていないから関係ない」「専門書はないから研究者には関係ない」と思われる方も多いのではないでしょうか。・・・そんなあなたに朗報です!

今回、出版社 Wiley の日本法人 ワイリー・ジャパン のご協力で、素敵な企画を実現しました!それは、レビュー (書評) を書いていただくことを条件に、ワイリー社の最新書籍を無料でもらえるというキャンペーン (抽選で 3 名様) です!「でもブログなんてやっていないし・・・」という方もご安心を。ご執筆いただいたレビューは 『気ままに有機化学/創薬化学』で紹介させていただきます。もちろん自分のブログをお持ちの方は、そちらにもご掲載いただいて構いません。レビューの内容ですが、書籍の内容の紹介とご自身の感想や評価を書いていただければ、量や書式の指定などはありません (図などを使っていただいても大丈夫です)。ただし、本の到着から 2 ヶ月以内にレビューをご執筆ください。

応募方法は メールフォームお名前 (本名でもハンドルネームでもOK) とメールアドレス、欲しい本のタイトル (下の一覧から選択) を記入して送信するだけ (メールアドレスは当選者への連絡と複数応募の防止のためで、その他の目的には使用しません)。応募の〆切は 7/12 (火) の 24 時まで。当選者は抽選で選びます。当選者の方には別途メール差し上げたうえで、お名前 (本名またはハンドルネーム) を当ブログで発表させていただきます。当選された方には、本を郵送するために住所・氏名・電話番号をメールでうかがいますので、ご了承いただける方のみご応募ください。書籍はワイリー・ジャパンから直接送付させていただきます (送付先は日本国内にお願いします)。

高価な専門書を無料でもらえる機会なんてほとんどありません。レビューを書くという条件はあるものの、逆に、精読するモチベーションへとつながるのではないでしょうか。ふるってご応募ください。また不明な点があれば、この記事のコメント欄や メールフォーム でお問い合わせください。

(1) 下の対象書籍一覧の中から読みたい本を選んでメールフォームで応募してください。
(2) 抽選で選ばれた場合、メールで住所・氏名・電話番号をおうかがいしますのでお返事ください。
(3) ワイリー・ジャパンから本が送られます。
(4) 本の到着から 2 ヶ月以内にレビューを書いてメールでお送りください。
(5) レビューを 『気ままに有機化学/創薬化学』 で紹介させていただきます。

◆ 対象書籍: 有機化学編 (2011 年 1-6 月発刊のもの。抽選で 2 名様)
Classics in Total Synthesis III: New Targets, Strategies, Methods
Privileged Chiral Ligands and Catalysts
Heterocycles in Life and Society: An Introduction to Heterocyclic Chemistry, Biochemistry and Applications
Amino Acids, Peptides and Proteins in Organic Chemistry, Protection Reactions, Medicinal Chemistry, Combinatorial Synthesis
Amino Acids, Peptides and Proteins in Organic Chemistry, Building Blocks, Catalysis and Coupling Chemistry
D-Amino Acids in Chemistry, Life Sciences, and Biotechnology
Modern Oxidation Methods
Organo Main Group Chemistry
Hyperbranched Polymers: Synthesis, Properties, and Applications
Macrocycles: Construction, Chemistry and Nanotechnology Applications
Biocatalysis in Polymer Chemistry
Conjugated Polymer Synthesis: Methods and Reactions
Green Polymerization Methods: Renewable Starting Materials, Catalysis and Waste Reduction

Classics in Total Synthesis III: New Targets, Strategies, Methods Privileged Chiral Ligands and Catalysts Hyperbranched Polymers: Synthesis, Properties, and Applications (Wiley Series on Polymer Engineering and Technology) Macrocycles: Construction, Chemistry and Nanotechnology Applications

◆ 対象書籍: 創薬化学・プロセス化学編 (2011 年 1-6 月発刊のもの。抽選で 1 名様)
ADMET for Medicinal Chemists: A Practical Guide
The Evolution of Drug Discovery: From Traditional Medicines to Modern Drugs
Prodrugs and Targeted Delivery: Towards Better ADME Properties
Process Understanding: For Scale-Up and Manufacture of Active Ingredients
Pharmaceutical Process Chemistry for Synthesis: Rethinking the Routes to Scale-Up
Protein Kinases as Drug Targets
Bioinorganic Medicinal Chemistry
Virtual Screening: Principles, Challenges, and Practical Guidelines
Protein Surface Recognition: Approaches for Drug Discovery

ADMET for Medicinal Chemists: A Practical Guide The Evolution of Drug Discovery: From Traditional Medicines to Modern Drugs Prodrugs and Targeted Delivery: Towards Better ADME Properties (Methods and Principles in Medicinal Chemistry) Process Understanding: For Scale-Up and Manufacture of Active Ingredients

本企画はワイリー・ジャパンとの協賛企画です。ワイリー・ジャパンでは昨月から公式ブログ ワイリー・サイエンスカフェ を開設し、ブログの更新情報は twitter @wileyjapan_pse でも配信されています。お得な情報や便利情報がありますので、ぜひ一度ご覧ください。

気ままに創薬化学 2011年07月06日 | Comment(0) | コーヒーブレイク

有機化学の高額商品を安く買う方法

有機化学関連の商品の中には高価なものもあります。特に ChemDraw などの専門ソフトウェア、分子模型、専門書などは高額ですので、できるだけ安く買いたいものです。今回、私の大学院時代の先輩に教えてもらった安く買う方法を紹介しましょう。それは、ドルやユーロで買う というものです。

例えば、ChemDraw Ultra 12.0 の価格を SciStore.com で比較すると下図のようになります。(価格は通常料金。アカデミックプライスはそれぞれ約 2/5 の価格設定です)


円に換算すると、2,330 ドル =191,060 円 (現在 1 ドル約 82 円)、1,650 ユーロ = 198,000 円 (現在 1 ユーロ約 120 円)。ドルやユーロで買えば日本円の 2/3 の価格で購入することができます。なお、発売当時 (2009 年 9 月) の為替相場でもドルやユーロで買う方が安いので、元々円の価格設定が高めのように感じます (さらに円高の影響でドルやユーロで買うと安くなっています。ちなみに同じ価格になる為替は 130 円/ドル、184 円/ユーロ)。他にも、例えば The Merck Index 14th Edition Std も米ドルで買えば 490 ドル (約 40,200 円)、日本円で買うと 63,900 円。ずいぶん安くなりますね。

さて、これまで海外の製品をドルやユーロで買うと安くなるという話を紹介してきましたが、日本製品ではどうでしょうか?例えば、日ノ本合成樹脂製作所が製作、丸善が販売している HGS 分子模型 (pdf) は大型講義用が 70,000 円、有機化学基本セットが 23,000 円です。一方、同じ丸善の海外向け直販サイトでは 大型講義用 が 500 ドル (約 41,000 円)、基本セット が 187 ドル (約 15,300 円) で購入できます。(日本向けと海外向けで商品の名前は変わっていますが、写真・内容は同じものです)

今回の情報を提供してくださった先輩は、実際に海外向け直販サイトから注文してみたそうです。商品は 大型講義用 500 ドル × 1 と 学生用 C セット 25 ドル × 2。送料は別で 7.43 ドルで合計 557.43 ドル。ちなみに、大型講義用は日本では上で述べた 70,000 円、学生用 C セットは 日本 では通常 4,000 円、大学生協でも 3,900 円だったとのこと。全部で 3 万円以上も節約できたそうです。

学生用 C セットは大学の実習や授業で使うようなものですので、もし私が大学の教員だったら 25 ドル (約 2,050 円) で大量購入して 3,900 円で学生に販売してひと儲け・・・なんてことをすると手が後ろに回っちゃいますかね、笑。・・・というのは冗談ですが、ひと儲けできそうなくらい価格差が付いてしまっている、というのが実情ではないでしょうか。

以上、ドル・ユーロで買うことで実質 1/2〜2/3 の価格で買えることもあるよという話でした。今後、有機化学の高額商品を購入する際には、ドル・ユーロで買うことも検討してみてはいかがでしょうか?ただし、送料・説明書・サポート等には違いがあるかもしれませんので、注意してくださいね。

[余談] 私の先輩が分子模型を注文したとき、英語の直販サイトで英語で日本の住所を打ち込んで注文したら、数日のうちに日本語の住所・カタカナの名前で送られてきてビックリしたそうです。段ボールも送り先票も日本語。説明書だけは英語。発送元は日ノ本合成樹脂製作所、なので英語の説明書を付けて日本から発送しているようです。

気ままに創薬化学 2011年05月04日 | Comment(0) | コーヒーブレイク

reaxys の反応マッピングでひと手間減らす方法

今回は reaxys の反応マッピングでひと手間減らす方法を紹介したいと思います (描画ソフトは標準の MarvinSketch)。反応マッピングとは反応検索で反応前後の原子の対応付けを行う操作のことです。つまり 「基質のこの原子が生成物のこの原子だよ」 というのを指定してやるわけです。これをしないと結果にノイズが多くなってしまいます。

通常の反応マッピング方法は Elsevier の サポートページ検索で有用なテクニック集 (MarvinSketch版) にも書かれていますが、下図のように reaction arrow ボタンで基質と生成物の間に矢印を書いて、その後 atom map ボタンから manual atom map を選択して基質の原子と生成物の原子をマウスドラッグで結ぶのが正攻法です。


しかし、実は reaction arrow ボタンを選択したまま atom map もできるのです。


reaction arrow ボタンのまま、基質の原子と生成物の原子をマウスドラッグで結ぶだけで下図のように atom map することができました。つまり、基質と生成物を reaction arrow でつないで、そのまま atom map すればいいのです。これによって 「atom map ボタンから manual atom map を選択する」 というひと手間を減らすことができます。普段よく反応検索する人にとっては、塵も積もれば山となる的に、結構な手間と時間の節約になるのではないでしょうか。


ちなみに、atom map ボタンから manual atom map を選択すると、下図のように reaction arrow と同じアイコンになりますので、実は本質的に同じなのではないかと個人的には思っています。


もし他に reaxys や SciFinder などでコツや小技などをご存知でしたら是非コメントください。

気ままに創薬化学 2011年03月26日 | Comment(2) | コーヒーブレイク

『小さな命が呼ぶとき』 のその後


『小さな命が呼ぶとき』 の動画 [英語] のエンディングで上のような字幕が出ていたことに気づかれたでしょうか?そうです、チラッと 以前 書いたのですが、映画の主人公のジョン・クラウリーは現在もポンぺ病の次世代治療薬の開発に取り組んでいるのです。今回は映画には出てこないその後の話を紹介しましょう。

さて、映画 『小さな命が呼ぶとき』 は、治療薬のない難病のポンペ病の子供を持つ父親ジョン・クラウリーが治療薬を開発する会社を設立して奔走する様が描かれた作品です。そもそもポンぺ病は、遺伝的要因により、グリコーゲンを分解する酵素である酸性 α-グルコシダーゼ活性が不足あるいは欠損することで、ライソゾーム中にグリコーゲンが蓄積し、筋肉や呼吸の機能低下を招く希少疾病です。ながく治療薬がありませんでしたが、ジョンらの努力により酵素補充療法の マイオザイム がジェンザイム社から発売されるに至りました (米国・EU では 2006年 承認、日本では 2007 年承認)。酵素活性が足りないならば酵素を補充してやればいいというわけです。このマイオザイム発売までの経緯を (ある程度) 実話に基づいて映画化したのが 『小さな命が呼ぶとき』 なのです。

これで 「めでたし、めでたし」 というわけではありません。酵素補充療法の開発は間違いなくひとつのブレークスルーですが、いくつか問題点も残しています。それは、治療コストが高いこと、投与方法が点滴静注であること、中枢移行性がないこと、などです。例えばマイオザイムは 50mg のバイアル 1 本 9 万 3994 円、体重 1kg 当たり 20mg を隔週投与する必要があります。公費助成があるものの薬剤費は膨大で、また隔週で通院して 1 回 4 時間程度の点滴静注を生涯継続しなければならないという点も負担になる可能性があります。

ポンぺ病を低分子化合物で治療できないか?ジョン・クラウリーは現在、Amicus 社の CEO として低分子シャペロンの開発に取り組んでいます。低分子シャペロン (あるいは Pharmacological Chaperone とも呼ばれる) というのはタンパク質の立体構造を安定化する低分子化合物のことで、遺伝的要因によって減弱した酵素の活性を回復させることによる治療を目指すものです。Amicus 社は低分子シャペロンに特化した会社で、他にも同じ分野に特化した会社として 2010 年に Pfizer 社が買収した FoldRX などがあります。

Amicus 社は現在 3 つの臨床試験中の化合物があり、そのうちの 1 つ AT2220 がポンぺ病を適応症として開発されています。ポンぺ病は先に述べたように、遺伝的要因によりグリコーゲンを分解する酵素 (酸性 α-グルコシダーゼ) の活性が減弱することによる疾病ですが、AT2220 はこの酵素の低分子シャペロンです。


ポンペ病の子供をもつジョン・クラウリーはポンペ病の治療法としてすでに酵素補充療法を世に送り出し、さらに現在、次世代治療薬として低分子シャペロンの開発に携わっています。彼のポンペ病治療薬の開発にかける想いは計り知れません。そう言えば 『小さな命が呼ぶとき』 を見た創薬化学者の M 先輩はこんなことをつぶやいてました、「僕たちに最も必要なのは本当は情熱かもしれないね」。

気ままに創薬化学 2011年02月16日 | Comment(1) | コーヒーブレイク