『小さな命が呼ぶとき』 の動画 [英語]


2010 年 12 月発刊の創薬関連書籍 で簡単に紹介した映画 『小さな命が呼ぶとき』 ですが、日本語訳する前の英語版ハリウッド映画 "Extraordinary Measures" の動画がありました。治療薬のない難病のポンペ病の子供を持つ父親ジョン・クラウリーがポンぺ病の権威の科学者に会いに行き、それまでのキャリアを捨てて治療薬を開発する会社を設立して奔走する様が描かれた作品。ストーリーが感動的なのはもちろん、創薬にかける情熱、サイエンスとビジネス、創薬研究者と患者の距離感など、創薬に関わる人は考えさせられる部分のある映画だと思います。

動画は 1 時間 46 分もありますので会社や研究室のパソコンではなく自宅のパソコンで視聴されることをオススメします (すべて英語です)。動画を見るためには下の赤丸をクリックすると緑丸になるので、緑丸をクリックすると動画が再生されます。赤丸をクリックしたときにウイルスバスターの広告が出ることがありますが、このブラウザは閉じて構いません (私が貼った広告ではなく動画自体の設定です)。動画の再生が始まったら一時停止を押してしばらく読み込むまで待ってください。すぐに見ようとすると頻繁に読み込みになってイライラします。


『小さな命が呼ぶとき』 の動画 [英語]

ちなみに、日本語版の 『小さな命が呼ぶとき』 の DVD は昨年 12 月に発売、Amazon では 3990円 → 3263 円 (18%OFF) で販売中です。

[関連] 『小さな命が呼ぶとき』 のその後 (気ままに創薬化学)


気ままに創薬化学 2011年01月20日 | Comment(1) | コーヒーブレイク

NHKスペシャル「夢の新薬が作れない〜生物資源をめぐる闘い〜」の動画

10 月 11 日に放送された NHK スペシャル 「夢の新薬が作れない〜生物資源をめぐる闘い〜」 の動画です。番組の概要は以下の通り。

今年10月、名古屋で開催されるCOP10「生物多様性条約第10回締約国会議」。その最も注目されている議題は、新薬を巡る利益配分である。コンピュータの化学合成による新薬開発に限界が見えてきた今、夢の新薬誕生への期待は、生物が持つ人智を超えた物“生物資源”に託されようとしている。しかしこの18年、生物資源を有する途上国と生物資源から薬を開発する先進国は激しい論争を続けてきた。途上国は先進国に対し「生物資源を奪い、先住民の知恵を盗み取る海賊行為=バイオ・パイラシーだ!」と訴える。だが、両者が平行線を続ける今も、ガンやエイズに苦しむ人々は新薬を待ち望んでいるのだ。一体、生物資源は誰のものなのか?早く国際ルールを決めないと夢の新薬が作れない。番組ではペルー、南アフリカ、サモアをめぐり、驚異的な威力を持つ生物資源を紹介すると共に、それが薬として世に出せない現状をリポート。国際論争の焦点となる議題を分り易く紐解く。
[出典] NHK ホームページ


個人的に特に気になったのは 「原住民の知識は公知なのかどうか」 という問題と 「天然物を化学合成で供給できる場合、天然資源の持ち出しは起きないが、利益配分は (どのくらい) 必要か?」 という問題。まだまだ国際的に一致点を見いだせていないようです。

気ままに創薬化学 2010年10月23日 | Comment(0) | コーヒーブレイク

既存薬ライブラリー「薬の図書館」

本日の朝日新聞に 既存薬の新効果見つけよう 慶大や14社「薬の図書館」 という創薬関連の記事がありました。慶応大学と製薬企業が共同で既存薬ライブラリーを立ち上げ、既存薬の別の薬効を探して既存薬自身を新薬にしようという試みのようです。

手法自体は 追跡!AtoZ 「新薬が生まれない」 の動画 でも紹介されていたように新しいものではありませんが、大々的にオープンで行う試みは興味深いと思います。製薬企業だったら見つけた新薬効をもつ化合物をリードに合成展開して、弱い副作用 (side activity) を主作用にする SOSA (Selective optimization of side activities) にも取り組むというところでしょうか。

 医薬品として開発され、安全性を確認済みの薬を、研究者に無料で配布する「薬の図書館(既存薬ライブラリー)」を、慶応大学が製薬会社14社の協力で始めた。研究者が、別の薬効をもつ「新薬」を安上がりに見つけるのが目的だ。宝の山を眠らせずに、新薬が開発できれば、製薬会社にとっても大きなメリットにつながる。
 新薬をゼロから開発するには、化合物の探索から安全性の確認までハードルが多数ある。しかし、製薬会社が安全性を確認した既存薬の化合物から新たな薬効を調べれば、安全性確認など膨大なコストを大幅に省くことができる。 新薬開発では、当初の想定とは違う薬効が偶然見つかる例は少なくない。男性の勃起(ぼっき)障害の治療薬バイアグラ(商品名)は元々、狭心症の治療薬として開発され、男性用発毛剤リアップ(同)は高血圧の治療薬で開発されていた。
 慶大の「既存薬ライブラリー」には、ツムラや協和発酵キリン、ヤクルトなど14社が協力し、すでに1274種類の既存薬が提供された。市販中の薬や特許がまもなく切れる薬、市販されていない薬などが含まれている。
 ライブラリー代表の佐谷秀行慶大医学部教授による予備実験では、降圧剤と抗アレルギー薬として開発されていた化合物が、子宮内膜症など月経困難症の治療薬に使えそうなことが分かり、特許申請された。年内に患者を対象とする臨床研究を始める計画だ。

あと余談ですが、上の記事でも名前があがっている 「ツムラ」 の社名が 「バスクリン」 に変わることが巷で話題になっていますね。漢方薬に関しても 『ツムラ葛根湯』 から 『バスクリン葛根湯』 になったら飲む人が激減しないかなぁと思ったりしていたのですが、新社名「バスクリン」 漢方薬は作らないの? によると、どうやら漢方薬と入浴剤は今では別の会社のようです。『バスクリン葛根湯』 にはならなさそうなのでご安心を。笑

気ままに創薬化学 2010年07月02日 | Comment(5) | コーヒーブレイク

追跡!AtoZ 「新薬が生まれない」 の動画

先週 3 月 13 日 (土) に放送された 『追跡!AtoZ』 の 「新薬が生まれない」 の動画です。2010 年問題を中心に製薬企業を取り巻く問題とそれに対する取り組みについての特集番組。元メディシナルケミストで 医薬品クライシス の著者である佐藤健太郎氏もゲストとして出演されています。見逃した方は是非一度ご覧ください。


ちなみに番組をウェブ向けにまとめ直した記事として Diamond 社の 大ヒット商品が続々「特許切れ」へ。2010年以降、もう「新薬」は生まれない!? があります。動画が見れない場合などにどうぞ。

製薬企業の研究者の一人としては色々ツッコミを入れたい部分もありますが、不毛なのであえてノーコメントで。なお、2010 年問題に関しては佐藤健太郎氏の 医薬品の特許制度(Ohm Bulletin 2009年夏号掲載)2010年、薬の進化が止まる日(「新潮45」2010年2月号掲載) も参考になるかと思います。

気ままに創薬化学 2010年03月15日 | Comment(0) | コーヒーブレイク

世界のトップセールスの薬200

Njardarson Group のホームページでは世界のトップセールスの薬 200 を一覧にしたポスターを公開されています。これは創薬関係者にはたまらないですね!


全体像は上のような一覧になっていて、具体的には下図のように商品名、一般名、構造式、会社、売上、適応症がコンパクトにまとまっています。


A3 で印刷してやっと読めるかな、というところです。私はすっかり気に入ってしまったので、今週末にでも印刷屋で A1 カラーポスター印刷をお願いしようと思っています。笑

気ままに創薬化学 2010年02月10日 | Comment(2) | コーヒーブレイク