1933 年、ウィスコンシン大学のリンク博士はこの病気で死んだ牛の血液に興味を持ちます。5 年もの歳月をかけて、腐ったスイートクローバーから数 mg のジクマロールを単離しました。これをウサギに投与すると血液が固まらなくなることを確認し、ついに病気の原因が明らかになりました。
1948年、リンク博士はジクマロールを基にして、より強力な作用を持つ化合物を創製します。こうして生まれたのがワルファリンです。この新しいクマリン骨格をもつ化合物は、リンク博士が研究を続けた機関である Wisconsin Alumni Research Foundation (WARF) とクマリン (coumarin) の語尾を合わせて Warfarin (ワルファリン) と名づけられました。
当初、ワルファリンによる出血はコントロールが難しく致命的な作用を及ぼすため、主に殺鼠剤として使われていました。その後、プロトロンビン時間を調べる血液検査が迅速に行えるようになり、ワルファリンが人に対して使われるようになっていったのです。
[参考] 知らずに飲んでいた薬の中身